どうして夏バテが起きるの?
そもそも「夏バテ」とは、夏の気候によって自律神経のバランスが崩れることで起きる心身の不調全般を指します。夏の屋外は気温が高くクーラーの効いた屋内との気温差が大きいため、体温調節機能を司る自律神経系に大きな負荷がかかります。
単純に暑いだけ、寒いだけでなく、一日の中で何度も極端な温度差に晒されることで、自律神経がうまく働かなくなって、夏バテ症状が引き起こされます。
また、夏は日差しが強いため、肌や目から紫外線によるダメージを受けやすくなることも夏バテが起きる原因の一つです。発汗量が増える夏は、他の季節より多くのビタミンやミネラルを消耗します。体内のビタミンやミネラル量が減ると疲れやすくなり、疲労の回復もしにくくなるため夏バテ症状が出てしまうのです。
ハーブが夏バテに効く理由
そんな夏バテに悩まされる時期に取り入れたいのがハーブ。なぜハーブが夏バテに効果的なのかをご紹介いたします。
①クエン酸・ビタミン・ミネラルの補給に
夏は汗をかくため、体内のミネラルが失われやすく、強い紫外線で体内のビタミンが破壊されやすくなります。
ビタミンやミネラルの不足は慢性的な疲労感に繋がるため、クエン酸やビタミン・ミネラルを取り入れることで疲労回復に役立ちます。特に、ハイビスカスやローズヒップのハーブティーは、クエン酸・ビタミン・ミネラルを豊富に含むため、夏バテ予防&夏バテによる疲労回復に役立ちます。
ハイビスカスはクエン酸、ローズヒップはビタミン・ミネラルが豊富に含まれるハーブの代表格です。ハイビスカス&ローズヒップの2種は味の相性も良いことから、ブレンドハーブティーとして人気の組み合わせにもなっています。
②食欲不振や消化不良をサポート
レモングラスやジンジャーは、弱った胃腸の働きをサポートする力があるため、夏バテして食欲が落ちてしまったときに取り入れたいハーブです。レモングラスはよくタイ料理にも使われるハーブで、スープや炒め物に加えるとアジアンテイストの味と香りが食欲を誘います。
また、刻みジンジャーはその辛みが料理の口当たりを爽やかにして食欲を促進します。レモンのような爽やかな香りが特徴のレモングラスも、「薬味」として日本料理になじみのあるジンジャーも、食欲不振・消化不良のどちらにも使うことが出来る、夏に便利なハーブです。
③冷えを改善し、夏バテを予防する
夏にどうしても頼りたくなってしまうのがクーラー。熱中症にならないために身体を冷やすことは大切ですが、過度な体の冷えは自律神経を乱し、夏バテを引き起こす原因になります。オフィスや公共施設のクーラーは自ら室温調整が出来ないことが多いため、否応なく体が冷えてしまうことも。
体の冷えは血行不良や自律神経の不調を引き起こして夏バテに繋がるため、夏バテ予防にはジンジャーなどの血流を促すハーブを取り入れるのがおすすめ。こまめにホットジンジャーティーを飲むなど、温かいハーブティーを飲むことで血行を促進し、体を内側から温めて代謝を良くすることができます。
夏バテ予防におすすめのハーブ4選
疲れた時に飲みたい赤いハーブ:ハイビスカス
学名:Hibiscus sabdariffa 科名:アオイ科
利用部位:萼部
クエン酸やリンゴ酸を含むハイビスカスは、疲れを感じたときにおすすめのハーブです。ハーブティーにもよく使われる人気のハーブですが、酸味の強さが特徴のため、酸っぱい味が苦手な人はハイビスカスの量を控えめにしたり、はちみつを加えると美味しく飲むことが出来ます。
目に良いと言われる成分アントシアニンを含むため、美しいルビー色のハーブティーになる点も魅力的です。クエン酸による疲労回復効果のほか、鉄分・カリウムなどのミネラルも摂れるため、汗をかく季節にぴったりのハーブです。
市販されている「ローズヒップティー」はハイビスカス&ローズヒップのブレンドハーブティーであることが多く、実はあの鮮やかで美しい赤色と酸味はローズヒップではなくハイビスカスに由来しているんですよ。
日焼けが気になる夏におすすめ:ローズヒップ
学名:Rosa canina L. 科名:バラ科
利用部位:偽果
「ビタミンの爆弾」という異名を持つローズヒップは、日差しの強い夏におすすめのハーブです。紫外線によってダメージを受けた肌は、回復するために他の季節より多くのビタミンを必要とします。
ローズヒップはレモンの20~40倍のビタミンCを含むだけでなく、ビタミンA、B、Eや鉄分、亜鉛などミネラルを含むため、肉体疲労時やスポーツの後、日焼けした後にも摂りたいハーブです。
胃腸を労わるレモンの香り:レモングラス
学名:Cymbopogon citratus 科名:イネ科
利用部位:葉部
レモングラスは、トムヤンクンなどにも使われる、爽やかなレモンのような香りがするハーブです。熱湯を使って淹れるホットハーブティーだけでなく、水出しハーブティーでも味と香りがしっかりと感じられるため、夏はミネラルウォーターにレモングラスを入れた「レモングラスウォーター」を常備しておくのもおすすめです。
レモングラスは消化促進効果が期待できるハーブなので、夏バテして胃が重く感じる時に飲むのがおすすめ。爽やかな味と香りは、夏にぴったりです。
クーラーで冷えが気になる時に:ジンジャー
学名:Zingiber officinale 科名:ショウガ科
利用部位:根部
ジンジャーは日本の家庭料理にも使われる生姜のことで、東洋医学では生姜(乾燥ジンジャー)・乾姜(加熱ジンジャー)として、血流を促す生薬として使われてきました。
生薬としては、生のままよりドライにしたり加熱した方が体を温める力が強いと言われています。生のジンジャーは体の熱を逃がす効果があるので、暑さで身体が辛いと感じるときは細かく刻み、生のまま食べるのも良いでしょう。
また、ジンジャーを取り入れるときにおすすめなのがはちみつを混ぜたドリンク。冷えが気になる時はドライジンジャー、ほてりを感じる時は生のジンジャーを使って作るとジンジャーの持つ力を上手に利用することが出来ますよ。
夏向きハーブティーの飲み方・おすすめの食べ方
暑い季節は冷たい飲み物が美味しく感じる季節。あらかじめ氷を入れたグラスに濃いめのホットハーブティーを注ぐと、短時間でアイスハーブティーを作ることができます。
おすすめの取り入れ方① 冷たいハーブティー
夏にはミネラルウォーターにハーブを入れて作る「水出しハーブティー」がおすすめです。水出しハーブティーを常備しておけば、水分と共にビタミンやミネラルを補給することが出来ます。冷ましたハーブティーを製氷機に入れて、ハーブ氷を作るのもおすすめ。ハーブ氷を炭酸水やアルコールに入れると、爽やかなハーブの香りがする冷たいドリンクを楽しむことができます。
おすすめの取り入れ方② 薬味・スープ
料理で取り入れている方も多いジンジャー。調理方法はさまざまですが、夏は細かく刻んで生のまま薬味として食べるのがおすすめ。生のジンジャーには消化を助ける効果があり、ピリリとした爽やかな風味が食欲を誘います。
また、スープに入れるとエスニック風になるレモングラスも食欲が落ちがちな夏におすすめです。ジンジャーとレモングラスは、食欲を増進しつつ、夏バテで働きが弱っている胃腸をサポートしてくれます。
水出しハーブティーの作り方
夏にぴったりの水出しハーブティーを作ってみましょう。レモンやオレンジなどをカットして、ハーブと一緒に水に入れても美味しくできます。レモンやオレンジの入った水出しハーブティーは、ピッチャーごと食卓に出しても色どりが素敵です。
【水出しハーブティーの作り方】
材料:ドライハーブ5g、ミネラルウォーター 500ml、茶こし付き冷水筒、(茶こし付き冷水筒がない場合はお茶・だし用パック)
1.ドライハーブ(5g程度)を茶こし付き冷水筒に入れる
ハーブは1種類でも、何種類か混ぜても美味しくできます。
*茶こし付き冷水筒がない場合はお茶・だし用パックにドライハーブを入れる
2.ミネラルウォーター500mlを「1」に注ぐ
水出しにすることで、苦味・えぐみのないスッキリした味になります。
3.「2」を冷蔵庫に入れ、半日~ひと晩ほどで完成!
ローズヒップを使用する場合は、水出し時間を長めにするのがコツです。
※冷水筒は、目の細かいハーブ用の茶こしが付いているものが理想です。水出しコーヒー用の冷水筒も目の細かいフィルターが付いているので、水出しハーブティー作りに向いています。
ハーブの美味しさで「夏バテしない夏」を過ごそう
今年の夏は、ハーブの美味しさを味わいながら、夏バテ予防をしてみませんか?ハイビスカス&ローズヒップティーでビタミンやミネラルを摂りながら、ジンジャーで体が冷えないように工夫し、レモングラスで胃腸を労わりながら過ごし、今年こそは「夏バテしない夏」を過ごせると良いですね。
ネイチャーズウェイ
EC担当 いわさき
キッチン用品やオーガニック化粧品のEC販売経験を経て、自分が良いと思ったものをもっと多くの人に手に取ってもらいたい!という思いからネイチャーズウェイに入社。コスメも趣味も、ひとつのものを偏愛しがち。