新生活におすすめのハーブ5種
憂鬱や不安を感じる時に:セントジョーンズワート
学名:Hypericum perforatum 科名:オトギリソウ科 利用部位:地上部
セントジョーンズワートは、ヨーロッパで代表的な抗鬱作用を持つハーブです。「サンシャインハーブ」というニックネームを持ち、気持ちを明るくしてくれることが知られています。鬱や不安を緩和する効果が、医学的に臨床試験でも証明されているハーブです。
セントジョーンズワートのハーブティーは、時間の経過とともに赤い色が濃くなります。この赤い色は「ヒペリシン」と呼ばれる成分の色で、セントジョーンズワートが持つ抗鬱作用・抗不安作用に関わると考えられています。セントジョーンズワートは、鎮静効果や鎮痛効果を持つため、気持ちの落ち込みを感じる時・眠れない時のほか、生理痛やPMSによる不調、ストレス性の頭痛にも使われます。
セントジョーンズワートのハーブティーは緑茶と比べて苦味が少なく、後味の中にスパイシーさがあります。ルイボス、レモンバーム、パッションフラワー等とブレンドすると、味に丸みが出て美味しいブレンドハーブティーになります。もちろん、シングルハーブティーでも飲むことも可能です。
<ご注意ください>
セントジョーンズワートには、飲み合わせの悪い薬(薬物相互作用)があります。
以下の薬を服用中の方は使用を控え、服薬や通院している方は専門家の指示を仰ぐようにしましょう。
・血液凝固防止薬(ワルファリン)
・気管支拡張薬(テオフィリン)
・免疫抑制薬(シクロスポリン)
・強心薬(ジゴキシン)
・経口避妊薬(避妊用ピル)
・抗HIV薬(インジナビル)
・抗うつ薬
・光線治療(レーザーや紫外線)を受けている方
不安を感じて寝つきが悪い時に:パッションフラワー
学名:Passiflora incarnata 科名:トケイソウ科 利用部位:葉部
パッションフラワーは、「ナチュラルトランキライザー(自然界の精神安定剤)」のニックネームを持つハーブです。古くから、心と体を癒すハーブとして、不安や不眠、生理による体調不良などに用いられてきました。
パッションフラワーの「パッション」の意味は「情熱」ではなく、「キリストの受難(Passion)」に由来します。日本ではその見た目が時計に似ていることからトケイソウとも呼ばれる特徴的な花の形は、キリストの茨の冠をイメージして命名されたと言われています。
パッションフラワーは緊張や不安を鎮める効果があり、子どもからお年寄りまで飲むことが出来る穏やかな作用のハーブです。不安から来る不眠の時に良く使われるハーブですが、眠くなる成分は含みません。体質にもよりますが、ストレスや不安を感じている日中にも飲むことが出来ます。パッションフラワーは心と体の緊張をほぐし、不安を軽減することで入眠をアシストすると考えられています。
パッションフラワーのハーブティーは、味にくせがなくまろやかな風合いがあります。苦みがないため、味の面でも幅広い年代の方に好まれるハーブです。
<ご注意ください>
パッションフラワーは、やさしい安眠ハーブですが、その日のコンディションによって、眠気が強く出る可能性があります。車の運転や危険を伴う機械 操作の予定がある時は、パッションフラワーの摂取は控えましょう。
手軽に取り入れられるハーブの楽しみ方
気軽にハーブを生活習慣に取り入れる方法としておすすめなのは、毎日飲んでいるお茶やコーヒーに替えて、ハーブティーを飲むようにすること。
緑茶や紅茶と同じようにティーポットにハーブの茶葉を入れ、熱湯を注げばハーブティーの出来上がり。緑茶より熱めのお湯(95度以上)を使うのが美味しいハーブティーを飲むためのコツです。
リーフタイプの茶葉を使うのが大変な人は、ティーバッグタイプのハーブティーを使うのもおすすめ。ティーバッグタイプのハーブティーは、手軽に作れるだけでなく片付けも簡単なので、疲れを感じている時や忙しい朝などに重宝します。
夏は水出しハーブティーも◎
暑い季節には、水出しハーブティーもおすすめです。お湯でハーブティーを淹れる時よりも多め(1.5~2倍くらいの量)の茶葉をお茶パックに入れて、水と一緒にボトルに入れておくと半日程度で完成します。
寝る前に茶葉と水をボトルに入れておけば翌朝には飲むことが出来るので、麦茶のように夏場の水分補給用に作っておくのもおすすめです。
手軽なハーブサプリメントも取り入れよう
ハーブティーを作る元気がない時は、ハーブサプリメントが便利。ハーブサプリメントは、質の良いハーブを粉末にしてカプセルに入れたものなので、ハーブの栄養をまるごと体に取り入れることが出来ます。
ハーブティーで抽出できない油溶性の成分も余すことなく取り入れることが出来ます。
5月病のときに取り入れたいアロマ
憂鬱な気持ちを切り替えたいときは、ハーブの香りを凝縮した「エッセンシャルオイル」の香りを使ってリフレッシュするのもおすすめです。
一般的には「アロマオイル」とも呼ばれるエッセンシャルオイルは、植物由来100%の自然な香りを放ちます。ハーブ由来の「アロマの香り」を生活に取り入れると、心が休まり、しっかり休息できるようになります。心のバランスが整えられることで、憂鬱な気持ちが和らいで、ポジティブな気持ちが戻ってくるようになります。
5月病で憂鬱や疲れ、気持ちの落ち込みを感じた時に使いたい、気持ちを明るくしてくれるアロマの香り3種をご紹介します。
落ち込んだ気持ちを上げたい時に:ゼラニウム
学名:Pelargonium asperum 科名:フウロソウ科 抽出部位:葉部 抽出方法:水蒸気蒸留
ゼラニウムは、ローズゼラニウムとも呼ばれ、バラに似た華やかな香りを持つ植物です。ゼラニウムの香りは、心の揺らぎを整えバランスを調整する作用があると言われています。
そのため、気持ちが落ち込んでしまった時だけでなく、緊張やイライラで気持ちが昂ってしまった時にも使用することが出来るアロマです。
気分を明るくしたい時に:スイートオレンジ
学名:Citrus sinensis 科名:ミカン科 抽出部位:果皮 抽出方法:圧搾/水蒸気蒸留
スイートオレンジは、爽やかさの中に甘みを感じるアロマです。柑橘系のアロマの中でも、懐かしさや優しさが感じられる香りのため、疲れている時のリフレッシュに向いています。気分が明るくなるような香りなので、日中から就寝時まで時間帯にとらわれず使うことが出来ます。
スイートオレンジを使ったアロマバスで入浴すると、心と体がリフレッシュできるので、入眠しやすくなりますよ。
寝起きが辛い時に:ローズマリー
学名:Salvia rosmarinus (旧学名:Rosmarinus officinalis)科名:シソ科 抽出部位:葉部 抽出方法:水蒸気蒸留
ローズマリーは、シャープな香りで心身をシャキッとさせるアロマです。血流を促す効果があるため、気分が乗らない朝や、寝起きで動きが良くない時に嗅ぐと元気が出やすくなります。
ローズマリーの香りは、脳の海馬に働きかけ記憶力を向上させることが知られています。脳の働きを高めてくれる香りなので、デスクワーク中に使用する香りとしてもおすすめです。
シーン別:アロマでリフレッシュする方法
仕事中や勉強中に、アロマでリフレッシュ
アロマストーンを使う
仕事中や勉強中など、アロマを使ってリフレッシュしたい時は、アロマストーンを使うと便利です。
アロマストーンは、精油を染み込ませて使う素焼きの陶器や石膏のことで、様々なデザインのものがあります。精油を数滴染み込ませて、自然揮発するアロマの香りを楽しむものなので、広範囲を香らせるのには向きませんが、職場の自分の机やロッカーで使うのには適したアイテム。
蓋つきの缶に入っているアロマストーンは持ち運びしやすく、デスクの引き出しにしまう時も便利なのでオフィスで香りを楽しみたい時におすすめです。
アロマシールを使う
マスクや衣服に貼れるアロマシールは、自分だけアロマを楽しみたい時に向いています。1~2センチ程度のシールに精油を染み込ませて、襟元やマスクに貼って使います。
好きな精油を染み込ませて使えるので、好きな香りをいつでもどこでも楽しむことが出来ます。アロマテラピーショップのほか、アロマ雑貨の取り扱いがあるお店で手に入ります。
お風呂でじっくりとアロマを楽しむ
心と体をリフレッシュさせたい時は、お風呂に精油を入れて入浴する「アロマバス」がおすすめです。精油はオイルである性質上、水やお湯には溶けません。精油をそのままお風呂に入れるのではなく、お湯に溶けるものに精油を混ぜてからお風呂に入れるようにしましょう。全身浴の場合、アロマバスに使用する精油の量は、1~5滴程度が目安です。スイートオレンジやラベンダー精油のアロマバスがおすすめ。
アロマバスを楽しむ方法
①:無水エタノールを使う
無水エタノール5mlに精油を溶かしてから、お風呂に入れます。無水エタノールはアルコール濃度が高いため、しっかりと精油が溶けます。安全性の高いアロマバスの方法です。
②:塩・砂糖・はちみつ・植物オイルを使う
家庭にある塩、砂糖、はちみつのいずれかに精油を混ぜてからお風呂に入れます。(厳密にはこの方法によって精油がお湯に溶けるわけではありませんが、塩、砂糖、はちみつに精油を混ぜることにより精油が攪拌されやすくなります。)
また、植物オイルに精油を混ぜてからお風呂に入れる方法もあります。この場合はオイルで希釈され精油の濃度が下がり、植物オイルによる保湿効果が加わります。お肌のコンディションやテクスチャーに合わせて、お好みで混ぜる材料を選んでください。
これらの入浴法は、長年アロマバスの方法として使われてきた方法ですが、敏感肌の方は、アロマテラピーショップで売っている精油用の乳化剤を使うようにしましょう。乳化剤を使うことで、精油とお湯がしっかり溶けるようになります。
③市販の精油入りアロマ入浴剤を使う
手軽にアロマバスを楽しみたい人には、市販のアロマ入浴剤がおすすめです。
精油入りのアロマ入浴剤は、一般的な入浴剤と同じように使うことができます。精油を使った市販のアロマ入浴剤は、自分で精油を用意して混ぜる等の手間がいらないため、仕事で疲れている時や、時間がないけれど気持ちを切り替えたい時にも向いています。
ラベンダーや柑橘系の香りのアロマバスは、リラックスやリフレッシュしたい時に向いています。
<アロマバスを楽しむ際の注意>
・精油の原液が肌に直接付かないようにしましょう。
・精油の目安量(全身浴で5滴程度)を守るようにしましょう。
・妊娠中、授乳中の人は、アロマバスは控えましょう。
・肌に合うかご不安な方は、バスタブで全身浸かる前に、最初は桶に入れたお湯に乳化剤と合わせた精油を溶かして、手や足など部分的に浸してご確認ください。
ハーブとアロマで心身の緊張をほぐすと、休息タイムの質が上がります。意識的に自分の心と体を労わり、憂鬱な気持ちを切り替えるためにも、ぜひハーブやアロマを生活に取り入れてみてください。初夏も明るく素敵な毎日をお過ごしください!
ネイチャーズウェイ
EC担当 いわさき
キッチン用品やオーガニック化粧品のEC販売経験を経て、自分が良いと思ったものをもっと多くの人に手に取ってもらいたい!という思いからネイチャーズウェイに入社。コスメも趣味も、ひとつのものを偏愛しがち。