【研究員インタビュー・後編】研究者が注目するハーブ「オウゴン」の効果とは?

ナチュラル・オーガニックコスメには、古来より薬草として人々の生活に寄り添いサポートしてくれたハーブや、多くの有用成分を含んでいる植物オイルなどが使われています。そして、ネイチャーズウェイではその植物の力を一人でも多くの方に届けるため、日々研究を続けている研究チームがあります。

前回の記事に 続き、ネイチャーズウェイの研究員西坂さんに、ナチュラル・オーガニックコスメの研究についてお話を伺っていきます。今回は新たな効果が発見されたハーブ「オウゴン」について、詳しくお聞きしていきます。

▼前回の記事はこちら!
【研究員インタビュー・前編】研究者が語る、ナチュラル・オーガニックの魅力とは?

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研究者が注目するハーブ「オウゴン」とは?

――前回( 【研究員インタビュー・前編】研究者が語る、ナチュラル・オーガニックの魅力とは? )のインタビューでは、研究者目線でのナチュラル・オーガニックコスメの魅力を伺いました。その中で新たにハーブの作用が証明されたとのことですが、詳しく教えていただきたいです!

西坂さん:(以下、敬称略)
はい!前回、ネイチャーズウェイが同志社大学と行っている共同研究で、「オウゴン」というハーブに“抗酸化作用”が証明された、とお話しました。

オウゴンは日本名で黄金花(コガネバナ)と呼ばれている植物の「根」の部分を指します。黄金花は紫色の小さな花を咲かせるのですが、根が黄金色をしているためオウゴンと呼ばれています。ネイチャーズウェイの自社農場で育てている、漢方などでも使われるハーブですね。

オウゴンは肌荒れを防ぐ作用で知られており、ネイチャーズウェイの製品にも使用されています。

たとえば、 チャントアチャームのUVミルク です。日差しをブロックしながら、肌荒れを防ぐ効果のためにオウゴンを配合しています。また、 バイオラブのソンシーブル という敏感肌用のラインや、 クレムブリヤンテ という保護クリームにも、肌荒れを防ぐためにオウゴンが配合されています。

チャントアチャーム UVミルク

紫外線やブルーライト*から肌をまもるだけでなく、うるおうことで毛穴の目立たない肌に導くUVミルク。

*第三者機関実施試験結果より

バイオラブ ロション ソンシーブル

敏感になりがちな肌を潤いで満たし、健やかに保ちます

バイオラブ クレム ブリヤンテ【保護クリーム】

植物のバランス保持機能・防御機能に着目。日々のスキンケアできらめき美肌に整える超バリアクリーム

—―すでにいろいろな商品に配合しているハーブから新しい発見があったとのことですが、そもそもオウゴンというハーブはなぜ再注目されたのでしょうか?

西坂:それは、ネイチャーズウェイの自社農場の所在地に秘密があります。ネイチャーズウェイの明野ハーブ農園は山梨県の北杜市にあります。北杜市は日本一日照時間が長いと言われる場所で、オウゴンはそこで長時間の紫外線を受け続けて育っています。

長時間の紫外線を受けることで、紫外線の酸化から花や幹・葉の部分を守るために、何かしらの物質を作っているのでは? という仮説を立て、同志社大学と共同で抗酸化作用を見つけるための実験を行っていました。

—― なるほど。ちなみに、よく「○○大学と共同研究」という言葉を目にするのですが、なぜ企業が大学と一緒に研究をするのでしょうか?

西坂:大学にはさまざまな機械や器具、人員など、研究に必要な環境が揃っており、より深く専門的な研究ができます。大学は言わば「研究のプロフェッショナル」なんです。そして私たちネイチャーズウェイは「ハーブを育てて有効活用することのプロフェッショナル」です。

研究のプロである大学とハーブを取り扱うプロである私たちが共同で研究することで、より幅広く緻密で正確な研究成果を得ることができるのです。

同志社大学との共同研究で発見! オウゴンは“抗酸化”の効果があるハーブだった

——つまり、日照時間の長い農場で生き生きと育つ黄金花から、オウゴンに何かあるのでは?と考え、正確な研究のために同志社大学と共同研究を行った、ということですね。ではさっそく、新たな作用「抗酸化効果」の発見に至る経緯について聞かせてください。

西坂:みなさんも「活性酸素」という言葉を1度は聞いたことがあると思います。肌に紫外線を当てると、ダメージを与える活性酸素が出るんです。オウゴンエキスは、紫外線によって生み出された活性酸素に負けない強い肌を作る効果があるということが今回の研究で分かったんです。

具体的な実験方法ですが、まず元気な肌細胞を2パターン用意し、片方には何も与えず、もう片方にはオウゴンエキスを投与します。そして両方の細胞に紫外線を当て、変化を見守ります。

すると、何も投与しなかった細胞の方は元気がなくなり、死んでしまう細胞が多かったのですが、オウゴンエキスを投与した方は、肌細胞が元気なまま、死なずに残る細胞が多かったんです。この実験から、オウゴンには紫外線に対する防御能力をアップさせる「抗酸化」の効果があると証明されたのです。

これはすごく大きな発見でした。
なぜなら、日焼け止めを塗って紫外線をカットする以外にも日常のスキンケアから肌の防御機能をアップさせ、紫外線に対抗できるようになる、という未来に繋がるからです。

太陽光は恵の光ですし人間にはなくてはならないものですが、肌や紫外線の影響を考えると美容的にはブロックしたいと思ってしまうものでもあります。これをさらに掘り下げて、実際にどの成分が抗酸化作用を発揮しているのかなどについて、これから研究をさらに進めていく予定です。

自社農園で育てるハーブ・オウゴンの抗酸化効果がもたらす理想のスキンケアとは?

—―抗酸化作用が発見されたことで、さらにオウゴンの可能性が大きく広がりを見せた…なんだかワクワクしますね。今後、そのオウゴンの成分が解明された暁には、新たに作ってみたいアイテムなどはありますか?

西坂:オウゴンには「バイカリン」や「オウゴニン」という成分が含まれています。どの成分が抗酸化作用を発揮しているのか、もしくはその他の成分も合わせて複合的な作用で抗酸化作用を発揮しているのか…などもこれから調べていきたいと思っています。

オウゴンの効果が解明された時には、クレンジングから化粧水、乳液やクリームなど、日々のスキンケア用品に100%活かしていきたいです。そしてきちんと香りや心地よい使用感を持った、心にも肌にも働きかけられるような化粧品を作ることが目標ですね。

そのためには、農場チームとの更なる結託も必要不可欠です。栽培方法や新しい効果が期待できそうな植物の探索、エキスの抽出方法などについてより一層協力し、植物の力を100%以上に引き出せるものを一緒に作っていきたいです。

西坂さんにとってナチュラル・オーガニックとは“自然の恵みを授かること”

—―最近は「どんなに面倒臭くても、日焼け止めは毎日塗るべき」という認識が、一般的に浸透しつつありますが、オウゴンを使った化粧品が出て来れば、さらに鉄壁の紫外線ケアが実現するのかもしれませんね。 個人的に、ぜひとも実現して欲しいです!

西坂:そうですね、それが理想ですね。

—―では最後に、西坂さんが考えるナチュラル・オーガニックについて、お聞かせください。

西坂:私にとっては「すごいチカラを秘めたもの」ですね。今回のオウゴンだけでなく、自然にはまだまだ私たちが知らないチカラが眠っていると思います。自然と共存しながら、その恵みを授かっていくことで心も身体も健康な毎日になると考えています。

ネイチャーズウェイ研究員インタビュー

日々の研究によって発見された植物の新たなる効果をお話しいただきました。植物には私たちがまだ知らない力が眠っているという事実には、驚きとともに期待せずにはいられない!という方も多いのではないでしょうか?

これからさらなる研究が待ち構えているとのお話もあり、今後オウゴンを使った新商品誕生の時が来るのが今から待ち遠しいですね!これからもネイチャーズウェイの研究室からのお便りを楽しみに!

研究開発本部_機能開発チーム_西坂

研究開発本部 機能開発チーム
西坂裕介

ヴェレダのホワイトバーチボディウォッシュの使用感と香りに感動し、自分が受けたその感動以上のものを与えられるような製品を開発したいと思い、ネイチャーズウェイへ入社。処方開発業務を経て、現在は新たな機能や効果をもつ天然由来成分の探索や、製品の効果効能を調べる業務に従事する。