【紫外線が与える肌への影響とは?】なぜ春から対策が必要なの?

2023.02.01

春になると「UVカット」「紫外線カット」という言葉を見聞きする機会が増えてきませんか?
“日差しの強い夏になれば紫外線対策をするけど、
こんなに日差しが気持ちの良い春に、どうして紫外線カットが必要なの?”

そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
知っているようで意外と知られていない、紫外線が及ぼす肌への影響について紐解いていきましょう。

TOPICS

part.1 紫外線には3つの波長がある

春と夏では紫外線の降り注ぎ方が違うのをご存知でしょうか? 紫外線には大きく分けると「UV-A波(以下A波)」「UV-B波(以下B波)」 「UV-C波(以下C波)」と、波長の違う3種類の光線が含まれています。 C波は波長が短くとても強い光線です。この強い光線が肌に触れると皮膚がんの原因になり得るとも言われるほどですが、地球のオゾン層にカットされるのでそのほとんどが地上には到達しません。
私たちが気を付けなければならないのは、「A波」と「B波」です。 A波とB波では、肌に与える影響も違います。
メラニン色素って何のためにあるの?

適度なメラニン色素は肌にとっては日傘のような役割を担っています。紫外線などの刺激が肌の大事な深部にまで到達しないように、メラニンは実は私たちの肌を守ってくれているのです。ですが、過剰に生成されてしまうとシミやそばかすとなって肌表面に現れます。

part.2 紫外線の「A波」と「B波」のピーク時期にはズレがある

A波とB波では、地上へ降り注ぐピークを迎える時期が異なります。その理由は太陽の角度と距離。 私たちが春夏秋冬を感じる気温や日の長さの変化も同じく 太陽の角度と距離が変わるからです。
春から上昇するA波ダメージを肌に蓄積させてしまうと、夏を迎えるころには潤いを保つ肌のコラーゲンにダメージが現れ、肌が乾燥してしまい本来持っているバリア機能が低下してしまいます。その状態の肌に夏本番のB波が降り注ぐと、肌にとっては緊急事態なのでメラニンが過剰に生成されてしまうのです。
夏本番の紫外線に備えるためには、 潤いを保つ健やかな肌が必要なのです。 そのためには春からのUVケアが とても重要なのです。

part.3 日焼け止めの選び方

市販されている「紫外線カット」や「UVカット」と謳っている製品は、この二つの紫外線に対して効果を発揮してくれます。そういった 製品のパッケージに必ず記載されているのが 「SPF」と「PA」いう表記です。

SPFとは?

「Sun Protection Factor」の略です。何も肌に塗らない状態と比べて、B波から守られる時間の持続性を2~50の数字で表し、現状の最大値は「50」となっています。それ以上の効果が認められているものは「50+」と表記されています。

PAとは?

「Protection Grade of UVA」の略です。 SPFと同じく何も塗らない状態と比べて、 A波から守る効果を4段階で表し、「+」の数が 多いほど効果が高くなります。 現状の最大値は「++++」です。
いつでもだれでも、「SPF50+ PA++++」を使えればいいのかもしれませんが、今まで高い紫外線カット力を発揮するには強いケミカルな紫外線吸収剤が必要でした。そういった処方で作られた製品を使うと肌に負担を感じる肌質の方もいて、いつでもだれでもというわけにはいきませんでした。
日本に美白ブームが起こり紫外線対策の強い意識が定着して久しいですが、昨今天然由来のナチュラルな原材料でも紫外線カット力に高い効果を発揮できるようになりました。

part.4 紫外線カット効果のある天然成分

ナチュラル系コスメの日焼け止めには、紫外線カット効果をもたらすために「紫外線散乱剤」が主に使われています。紫外線散乱剤は、散乱材で肌を均一に覆い、物理的に紫外線を散乱・反射させ、肌表面で紫外線の影響を防ぎます。その紫外線散乱に使われている主な成分が「酸化チタン」です。

酸化チタンとは?

天然ミネラルの一種であるイルメナイト鉱の酸化物。粉末の色が白く、肌の色をトーンアップ*させる効果もあります。
*メイクアップ効果による

紫外線による乾燥ダメージをいたわる成分

大豆

肌には本来防御機能が備わっているのですが、肌が乾燥するとキメが乱れその機能が低下します。大豆に豊富に含まれるイソフラボンやアミノ酸は、肌を保湿しキメを整えてくれるので肌本来の防御機能を助けます。

ビルベリー

紫外線を浴びると肌は酸化しやすくコラーゲンが壊れやすくなり、老化しやすい状態になります。強い日差しのもとで育つビルベリーは自分を酸化から守るため酸化に強いポリフェノールを豊富に含んでいます。

part.5 紫外線だけじゃない、光老化

そして近年では、紫外線の他にも肌に影響を及ぼす光線が太陽光に含まれていることが知られ始めてきました。紫外線対策だけでなく、3つの光を制する「光老化対策」が注目されています。

ブルーライト

普段のライフスタイルは、日中は屋外にいる時間と屋内にいる時間ではどちらが長いですか?

「私は日中ほとんど屋内にいるから紫外線は気にしていません」
そういう方もいらっしゃると思います。

屋内にいても浴びる光があります。それは「ブルーライト」です。スマートフォンや、PC、TV、LEDライトなど電光機器から発せられています。ブルーライトはUV-A波と似た影響があると言われており、肌にとってはA波より肌の深部へと到達し潤いや弾力のもととなっているコラーゲンやエラスチンに影響があると考えられています。
長時間ブルーライトを見る瞳への影響を懸念し、最近はブルーライトカットの眼鏡やコンタクトも多く発売されるようになりました。
日中のオフィスや学校はもちろん、日が沈んだ夜帰宅してからも浴びがちなのがブルーライトです。
瞳と同じように、肌も守ってあげましょう。

ブルーライトカットに有効な成分で、自然由来のものとしてして「ルテイン」があります。これはマリーゴールドから抽出される黄色の色素成分で、青色の補色なのでブルーライトからの刺激にも効果的です。

近赤外線

「近赤外線」とは、近年の研究で紫外線・ブルーライトよりさらに肌の深部の本来肌が守っている脂肪や筋肉組織の層にまで到達して「糖化」という現象を起こしていることが明らかになった光線です。コラーゲンや筋肉などをたんぱく質へと分解し、糖と結びついて他の物質に変えてしまうことを「糖化」と言います。肌を支えていた筋肉やコラーゲンが失われていくと、肌は潤いを保つのが困難になるので黄色くくすみやすくなり、放置するとしてしわ・たるみのもととなります。 日中の外出時には紫外線カットとともに近赤外線からも肌を守るのが理想です。

part.6 3つの「光」から肌をしっかり守ろう!

ナチュラル・オーガニックの製品も原材料開発や技術の向上により、紫外線カット効果の高い製品が充実してきました。 通勤通学時以外は屋内で過ごすことが多い平日、スポーツ観戦など屋外で過ごす機会が増える休日などの使用シーンに合わせて、日焼け止めも使い分けるのがおすすめです。

〈紫外線・ブルーライト・近赤外線〉の3つの光から肌をしっかり守って、
素肌が持つ美しさを活かしながら、健やかな肌を保ちましょう!

監修者

ネイチャーズウェイ
研究開発本部 製品開発チーム

おおえ

自然化粧品の考え方に共感し、自分もその一端を担いたいという思いからネイチャーズウェイに入社。入社以来処方開発業務に従事し、スキンケア・メイクアップ・ヘアケア製品と幅広く商品開発を担当している。