汗をかかない方法は?汗の役割や仕組み、顔汗を抑える方法を紹介

2023.12.03

「身体は汗をかいていないのに、顔だけ汗かく…」「マスクを着用すると、すぐに汗をかいてメイクも台無し…」など、多くの方が悩まされる”顔汗”。さらに、暑い季節になると、メイクをしている間にたらーっと汗が額をつたい、メイクどころじゃない…!なんてこともありますよね。今回は、汗の仕組みや顔汗の原因、顔汗を抑える方法をご紹介いたします。

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この記事を監修する専門家
研究開発本部 機能開発チーム
今井田 藍
研究開発本部 機能開発チーム 今井田 藍
自身も肌の悩みを抱えていたところ、ナチュラグラッセの肌に負担をかけないメイクに感銘を受ける。「どんな肌質の人にもメイクやスキンケアで肌がきれいになるうれしさを感じられる化粧品をつくりたい」という気持ちから、ネイチャーズウェイに入社。処方開発業務を経て、現在は新たな機能や効果をもつ天然由来成分の探索や、製品の効果効能を調べる業務に従事する。

汗の役割

汗は、人が生きていくうえでの大切な役割を担っています。まずは、そんな汗の役割について見ていきましょう。

体温を調節する

汗の主な役割は、体温を調節することです。汗となって出た水分が皮膚の上で蒸発する時に、体の表面の熱も一緒に奪われ、体を冷やしています
暑い場所にいたり、運動したりすることで体温が上がると、汗をかきますよね。汗を出すことで体温が下がり、人の体温を一定に保っているのです。

肌を保湿する

汗は皮脂を混ざり合うことで、皮脂膜となり、肌の乾燥を防いでくれると言われています

ただ、汗をかいた状態のまま放置してしまうと、菌が繁殖してしまう恐れもあります。汗をかいた後は、シャワーを浴びたり、洗顔をしたりと、肌を清潔にしておくことを忘れないようにしましょう。

汗が作られる場所

汗は、「汗腺(かんせん)」という管で作られています。汗腺は皮膚の表面から約1~3mmほど深い部分に存在していて、そこから皮膚表面に送り出されています。
そして、汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。

①エクリン汗腺

エクリン腺は全身にある汗腺です。体の部位によって密集度が異なり、手のひら、足の裏、ワキの下に多く存在しています。分泌される汗は無味無臭で、主に体温調節のために汗を出しています。

②アポクリン汗腺

アポクリン腺は体の限られた部分にある汗腺で、特にワキの下に多く存在しています。アポクリン腺から出る汗は、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含み、白く濁っているのが特徴です。もともとはフェロモンの役割を担っていたとも言われています。

汗をかく原因

汗をかく原因には、体温を調節するための「温熱性発汗」、緊張や興奮、不安などといった精神的なストレスによる「精神性発汗」、辛いものを食べた時にかく「味覚性発汗」の3つがあります。それぞれの違いを見ていきましょう。

温熱性発汗

温熱性発汗は、気温が高かったり、運動をすることによって上昇した体温を下げるための汗です。「エクリン汗腺」から出ることが多く、手のひらや足のうらを除く、全身から持続的に発汗します。健康であれば、サラサラした汗であることがほとんどです。

精神性発汗

精神性発汗は、人前に出て緊張や不安を感じたり、驚いたりする時に出る汗です。緊張すると手に汗をかいたり、冷や汗をかいたりするのは、精神性発汗が要因となっています。「エクリン腺」と「アポクリン腺」の両方から出るもので、手のひらや足のうら、ワキの下などの限られた部分から発汗するのが特徴です。温熱性発汗と比べて汗が一気に出るため、血液成分を多く含み、ネバネバした汗が出てくることもあります。

味覚性発汗

味覚性発汗は、香辛料が効いた辛い物を食べたときにかく汗です。「エクリン腺」から出るもので、額や鼻、口周りなどの顔を中心に発汗します。辛さによる刺激で口の中の温度が上昇したと脳が勘違いし、冷やそうとして汗が出ているとも言われています。味覚性発汗は反射的に起こるもので、食べ終わると汗もひくのが特徴です。

止まらない顔汗、これって何が原因?

気温が高い日や湿度が高い日は、多くの方が全身から汗をかきますよね。ただ、夏はもちろん、季節を問わずに顔や額が汗だくになるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。個人差や体質、年齢による更年期症状などもありますが、顔汗の原因は、「全身の汗腺の機能が衰えること」と言われています。

【簡単に実践できる!】顔汗を抑える方法

お手軽度★★★★ ツボ押し

道具も必要なく、外出先でも簡単に試せる「ツボ押し」。「ツボを押すだけで汗が止まるなんて信じられない…!」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。その通りです。ツボを押しても汗をかかなくなるわけではありません。人間は、全身の発汗量を一定に保とうとする機能が備わっています。そのため、体の一部に圧をかけることで、圧迫していない側の発汗は多くなりますが、圧迫している側の汗を抑えることができます。 この人間の体の性質を活用し、ツボを押すことで「他の部分には汗をかいてしまうけど、顔は汗をかきにくくする」という状態にします。

◆顔汗・脇汗を抑えるツボ①屋翳(おくえい)

顔汗 脇汗 抑える ツボ 屋翳(おくえい)
バストトップから垂直に5センチほど上にあるツボ。人差し指か中指の腹で、ゆっくりと背中に向かって圧をかけましょう。押しすぎはかえって逆効果。気持ち良い位の力で行いましょう。「息を吐きながら10秒間押し、息を吸うタイミングで休む」を4〜5回程繰り返します。

◆顔汗・脇汗を抑えるツボ②大包(だいほう)

顔汗 脇汗 抑える ツボ 大包(だいほう)
屋翳と同時に押すと顔汗や脇汗を止めるのに効果的ですので、「屋翳」と「大包」はセットで覚えてくださいね。
顔汗 脇汗 抑える ツボ 大包(だいほう)
大包は、脇の下の付け根から3cmくらい下にあるツボ。画像のように、腕を組んだ時に両手の中指の先が当たる位置が目安です。

◆これも覚えておきたい!合谷(ごうこく)

全身にある365個のツボの中でも、最も脳に刺激が伝わりやすいといわれる『合谷』。肩こりストレスなど、さまざまな症状への期待ができ、「万能のツボ」とも言われています。手の甲を上にして、親指と人指し指の骨が交差した部分から、人差し指へ向かって押していき、痛みを感じるくぼみが合谷です。
メイク前だけではなく、「仕事のプレゼン前に緊張して、顔汗が止まらない…!」なんて時は、万能のツボ『合谷』をグッと押してみるのもいいかもしれません。

お手軽度★★★ リンパ節を冷やす​

夏や朝にシャワーを浴びた後、「顔汗が出てメイクがのらない!」という時はありませんか?そんな時は、体を冷やし、クールダウンが必要。ポイントは、リンパ節や太い血管がある箇所を冷やすことです。「首の後ろ」「脇の下」「太ももの付け根」「ひざ裏」の4か所が効果的。保冷材や冷えたペットボトルなど、身近にあるものですぐに実践できます。

お手軽度★★ 舞妓さんも実践!『圧迫』

バッチリお化粧をしていて、化粧崩れをするわけにいかないお仕事として、「芸妓さん」「舞妓さん」「歌舞伎役者さん」などがあります。「舞妓さんってどうやってを抑えてるの?」とふと疑問に思いませんか?季節を問わずに着物を着ていますが、常に美しい白塗りのお化粧をしていますよね。
舞妓さんは、顔汗をかかないために、脇の下から胸の上部を通るように、ぐるっと紐でしばっています。ちょうどツボのあたりになりますね。そのため、ツボ押しの【応用編】のように、常に圧迫されることにより、顔汗を抑えることができます。「汗止め帯」という名で圧迫グッズも販売されていますよ。
「本当に顔汗をどうにかしたい!」という方や、「今日だけは、絶対に汗でメイクを崩したくない!」という特別の日に試してみるのもおすすめです。

汗が止まらない!そんなときの対処法

どうしても顔汗が止まらない時もありますよね。そんな時は、「濡れたタオル」でそっと拭いてあげましょう。「乾いたタオル」で拭くと、汗が蒸発して体温を下げる働きを失ってしまいます。そのため、体温は下がらず、汗を拭いても拭いてもまた汗をかく、悪循環になってしまいます。

汗かきさんは日常生活に原因が?

汗かきさんは、「体質」が関係していることがあります。ただ、生活習慣を改善することで汗をかきにくくすることができます。

運動不足

顔汗や脇汗はかくけど、身体の汗は気にならないという方は要注意。昨今のリモートワークで体を動かす機会が減り、一年を通して汗をかかない方が多くなりました。その結果、汗線が衰え、全身の汗をかかない分、心臓に近い顔や脇などの汗が多くなることがあります。長距離を走ったり、毎日きつい運動をする必要はありません。駅でエレベーターやエスカレーターは使わずに階段を使ったり、一駅歩いてみることから始めましょう。

エアコンによる冷やし過ぎ

夏のエアコン(冷房)で必要以上に体を冷やし過ぎてしまうと、体温調節・汗腺の働きも衰えてしまいます。暑い日は、キンキンに冷えた飲み物や食べ物を身体は欲しますが、摂りすぎは禁物。温かい食事や温かいお茶を飲むなど、体を冷やしすぎないようにしましょう。生姜を取り入れた食事、辛いものが苦手ではない方は、スパイスの効いた料理などで体を内側から温めるのも良いですね。

自律神経の乱れ

汗や体温を調整してくれる自律神経のバランスが乱れることで、手や足、顔に汗をかきやすくなると言われています。暑いわけではないけど、顔汗がでるという方は、睡眠不足やストレスをため込んでいませんか?気分転換や、生活習慣を見直してみましょう。

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まとめ

気温が高い季節やマスク着用など、どうしても顔汗をかいてしまう時はありますよね。暑い季節に全身ではなく顔や脇など特定の部分のみに汗をかくという方は、毎日の習慣を見直してみるのがおすすめです。気になる顔汗も外出先で試せる対処法があるので、「顔汗が止まらない!メイクが落ちちゃう!」と焦る前に深呼吸。ツボ押しをしたり、血管の太い部分を冷やしてみましょう。