【徹底解説！】毛穴の開きの原因＆すぐにできる対策方法

「毛穴」とは、皮膚の表面にある毛の生えている小さな穴で、皮膚科学では「毛孔」とも呼ばれており、断面（図１）から見ると「毛漏斗部（もうろうとぶ）」というすり鉢状の構造をしています。毛穴が目立つようになると「毛穴が増えた…」と感じるかもしれませんが、その数は生涯変わることはありません。円形だった毛穴の形状が、加齢に伴い肌のたるみによって下方へ引き伸ばされ、しずく型や楕円形へと変わり目立ちやすくなっていきます。毛穴の開きや形状の変化により顔における毛穴の総面積は加齢に伴い増加するというデータがあります。

毛穴には体温調節の他に、「皮膚を守る」という重要な役割があります。皮脂腺から分泌された皮脂は、毛穴から排出されて肌表面に皮脂膜をつくります。皮脂膜は、肌から蒸散する水分の量をコントロールすることで、肌のうるおいを守っています。体は服で覆われていますが、顔は紫外線をはじめとしたさまざまな刺激にさらされているため、顔の毛穴は体の毛穴に比べ皮脂腺が発達しており、目立ちやすいのです。

毛穴から排出される皮脂の過剰分泌こそが毛穴が開く第一要因です。皮脂の分泌量は思春期から増え始め、20代前半でピークを迎えます。また、気温の上昇や偏った食生活などにより、皮脂の分泌量が過剰になることもあります（図２）。この過剰な皮脂が毛穴の出口を押し広げてしまうのです。
皮脂の過剰分泌による肌トラブルは気温や湿度のの高い夏だけではなく、空気の乾燥により肌が乾燥しやすくなる冬でも要注意です。角質層から水分が失われると、紫外線や雑菌などの外的刺激から肌を守る「バリア機能」が低下します。すると肌はバリア機能を整えるために、皮脂を過剰に分泌しようとするため、過度な乾燥も毛穴の開きにつながることもあるのです。

本来は丸い形をしている毛穴ですが、肌がたるんでくると、頬の毛穴がタテに伸びて目立つようになります。たるみに伴う毛穴の開き（図３）は、しずくのような形が特徴です。肌のハリに大切な、真皮のコラーゲンやエラスチンは加齢によって減少することが知られています。
つまり、思春期以降の肌で目立つ毛穴のケアには、過剰な皮脂や角栓を除去するだけでなく、肌のたるみに対するお手入れも必要になってきます。

毎日分泌される皮脂とその日の汚れをきちんと洗い落とすクレンジング＆洗顔が、毛穴ケアの基本です。朝晩と、きめ細やかな泡の洗顔料で汗や皮脂汚れを洗い流すようにするのがおすすめです。メイク汚れが毛穴につまると毛穴開きの原因にもなるので、メイクをした日はクレンジングでていねいに落とすようにしましょう。
ただし、ゴシゴシ洗いは厳禁です。洗顔後はできるだけすぐに化粧水や乳液で保湿し、肌が乾燥しないようにケアをしましょう。

肌の乾燥を防いで角層のバリア機能を保つには、毎日のていねいな保湿ケアが大切です。しっかりと保湿をすることで、皮脂の過剰分泌量を抑えることができ、毛穴の過度な開きを防ぐことができます。洗顔後は、肌質やコンディションに合わせ、化粧水や乳液、クリームなどで、肌の水分と油分のバランスを整えましょう。
肌の乾燥が気になる方や、肌のゴワつきが気になる方は、スキンケアの一番最初にブースターオイルを使用すると、そのあとになじませるスキンケアの効果を最大限に発揮してくれます。美容液などの高保湿アイテムをプラスするのもおすすめです。

毛穴は体温を調節したり、皮脂を生み出す身体にとって大切な器官です。肌を傷つけるような間違ったお手入れはしないようにしましょう。
毛穴に詰まっている角栓を無理やりつまみ取ったり、引き抜くといった行為はNGです。このような行為によって毛穴にダメージが加わると、皮脂の過剰分泌や、ターンオーバーの乱れを招き、かえって毛穴の開きが大きくなる恐れもあるので注意をしましょう。